2019年7月21日日曜日

志子田薫《写真の重箱10 —ギャラリー巡り》


 皆様こんにちは。写真、撮ってますか? そして写真を見てますか?

 先日写真家飯田鉄さんの街歩きワークショップでの前期講評会に向けて写真セレクトとプリントを行ないました。撮っている時には多少の手応えを感じてはいたのですが、いざ前期2回の撮影会の写真を見返してみると、久々のWSという事で、迷走をしているという感がありました。
 それでも何とか方向性を示して持って行きましたが、自分で説明しながらなんとも歯切れの悪い内容になっていた感があります。もっと自分の写真を客観視しなければと思う次第です。
写真展のはなし


 さて、最近友人知人の個展が立て続けにありまして、キヤノンギャラリー銀座で行われた小澤太一さんの【SAHARA】やRoonee 247 Fine Artsで開催された外山由梨佳さんの【マテリアル】、”Alt Medium”での飯田鉄先生の個展【球体上の点列】は第1期「揺らし箱」と第2期「球体演戯」、中藤毅彦さん主催のGallery Niepce(ニエプス)メンバーと飯田先生他ゲスト作家による、檜画廊での【令和元年東京】など。観に行けたものの多くはモノクロ作品が主でした。

 一方で、個人的に楽しみにしていたのに断念した展示も多く、特に残念だったのが祐天寺Paperpoolで開催されていた岡田祐二さんの【手彩色和紙写真】に家庭の事情などが重なり都合が付けられず行かれなかった事。
 岡田さんはオールドレンズ界で著名な方、というよりそもそもオールドレンズという言葉も彼が生み出したようなものですが、レンズの特性を生かした素敵な写真を撮られています。そんな彼がここ数年手がけている「和紙にプリントした写真に手で彩色を施している」とても個性あふれる特徴的かつ素敵な作品たちがありまして、私はとても大好きなんです。ここ数年機会あるごとに観せていただいていた身としては、ある意味現時点での集大成と言える個展に是非とも足を運びたかったんですよね。手彩色ですから全ての作品が一点ものですので、売れてしまった作品たちには二度と出会えないという意味でも、そして岡田さんのマイルストーンとしても、駆け足でよいから観に行くべきだったなぁ(そして出来れば買いたかったなぁ)と悔いています。


 ここの所、自分の先祖、と言っても高々祖父母や曽祖父母とその親族ですが、その写真を見る機会が幾度かありました。カラーのもの、モノクロのもの、銀が浮き出ているものなどを見て、直接会ったことのない先祖たちが築いてきた歴史を実感したわけです。。。

 若い夫婦がスマホで自分の子供達の写真や動画を撮影している姿も今では珍しくなくなりましたね。そしてよく言われるのがそういう写真をプリントしない人が多いということ。
じゃあプリントすれば良いかというと、なかなかそういうわけにもいかないと思います。デジタルの時代になってからは、昔みたいに一枚一枚撮ったり、36枚撮りのフィルム1本〜数本から必要なコマをセレクトするのと違って膨大な量を、しかも動画も混ざった状態で撮っているわけですから、選んでいるヒマも、いや、もはや見返すヒマもないかもしれません。
 せっかくプリントしても、画面の色と違ってイメージ通りでなかったりした日には。。。
 ただ、プリントの精度も上がってきましたし、それらをフォトブックのように別の形態で出力していれば、写真とはまた違った魅力が出てきますね。

 また個人の写真データはその端末内に入れっぱなしの場合、端末が壊れた途端に永遠に消え去ってしまいます。それを防ぐために各社も初期はカードやPCへのバックアップ推奨し、現在はインターネット上に保存領域をサービスもしくは有料で提供しています。GoogleフォトやiCloud、OneDriveなど所謂クラウドストレージですね。
 何しろ設定さえしてあれば、無意識のうちに撮った写真はクラウド上にバックアップされており、紐付けされたサービスとアカウントで、色々な端末から写真を見ることが可能になります。スマホで撮った画像を自宅のPCや親戚のテレビで観ることも徐々に根付いてきましたね。

 ただ、今まで色々な保存用メディアの栄枯盛衰や写真用クラウドのサービス終了などを見てきた人として、まして過去の写真と対面することが増えた最近では、やっぱりアウトプットは大事だなと。そして可能ならやはりフォトブックでも良いから紙という物理的なモノとして、形に残したいなと改めて思うようになりました。


 最初の勢いは何処へやら。元からSDカード程の厚みしかない内容が、気がつけば印画紙どころかフィルムよりも薄っぺらいものになってます。しかも当たり前ながらフィルムよりも密度が薄いのでもはや目の当てようもありません。
 ここいらで一丁踏ん切りをつけてみるのも悪くないかなと思っています。

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