2019年5月1日水曜日

志子田薫《写真の重箱 8 —ギャラリー巡り》

 皆様こんにちは。写真、撮ってますか? そして写真を見てますか?

 私は新しい職場や仕事、そして通勤にもなんとか馴染みつつ、職場の周りを毎日少しずつ撮り始めています。
 しかしショックな出来事が……
 メインで使っているフィルムカメラは、巻き戻して裏蓋を開けるまではカウンターがリセットされないので、完全に巻き戻ったかどうかは、フィルムが巻き取り側から外れた感覚と巻き戻しレバーの空回りを確認してということになります。
 今回もいつものことなので普段通りにやっていたつもりでしたが、ちょっと考え事をしていたからでしょうか。
 いつものように裏蓋を開けたところ、まだフィルムが巻き取り側に残っていました。
完全に巻き戻したと思っていたフィルムが巻き戻し切れていなかったのです。慌てて裏蓋を閉めたところで後の祭り。転職初日に撮った写真が感光してしまいました。こんなことは初めてです。

 当初は36枚撮りで1日1枚撮れればちょうど良いかなと思ってフィルム縛りにしたのに、月の真ん中で既に3本目に突入してしまったことに加え、初日分が感光してボツになってしまったこと等からフィルム縛りは早々に諦め、もう少し肩の力を抜いて撮り続けることに決めました。


 いつも書き出しで「写真を見てますか?」と問いかけておきながら、実はここ最近あまり写真を見に行けていないんです。
 というのも、もちろん個人的に慌ただしい時期にぶつかっていることもありますが、最近見たい写真展の会場(ハコ)が増え、しかもそれらが例えば都内であっても地域的に分散しているから、ルートを考えるのが大変になってきたんですよね。日曜休みのところも増えたので、物理的に限界が出てきました。さらに自分が展示に参加していたりすると、そこも含めてルートを考えねばなりません。
 ここ最近でもお世話になった方の個展や友人の参加しているグループ展など、いくつも行き損ねてしまいました。

 それにしても、まぁ今に始まった事ではないのですが、最近は写真展を開催できる会場の候補として、写真専門のギャラリーや公共の貸しスペースだけでなく、美術系ギャラリーやギャラリーカフェ、おしゃれなカフェの片隅にコーナーがあるなど、裾野が広がりました。写真の「展示」自体のハードルはかなり低くなりましたね。

 この私も、ギャラリーカフェでの企画展参加や、アート系書籍をメインで扱うブックカフェでの個展経験があります。
 そしてギャラリーといえば、もともと絵画をメインで展示するギャラリーが広尾にあり、そこで生け花とコラボレーションというかルームシェアというか、ともかくそのギャラリーで初の本格的な写真展示を行ったことがあります。
 その後このギャラリーは恵比寿に移転し、今では絵画はもちろん数多くの写真展を開催しています。
 実は生け花の方々から、移転後のギャラリーで又やりませんかとお声がけ頂いたのですが、個人的事情により辞退する事に。
 折角のチャンスだったのだから、もったいなかったとは思いますが、ある意味そのお陰で今があるので、これも縁という事ですかね。

 とはいえ、やっぱり古い頭だからでしょうか。きちんと写真専門ギャラリーで展示をしたいなという思いがあります。

 ちょっと話題が逸れてしまいましたので、話を写真ギャラリーに戻しましょう。

 数年前は自主ギャラリーやメーカー系ギャラリーが閉廊する話を聞くことが多く、寂しかったのですが、最近はそれらとはまた別のギャラリーが様々な所で出来つつあります。
 それは(流れ自体は過去にあったものに近いのかも知れませんが)、新しい写真学校が併設するギャラリーや、それらの仲間から派生したギャラリー、写真関係者が開いたギャラリー、そして異業種が手がけるギャラリーなどです。
 これらはある意味場所に縛られる必要がありません。なにしろ展示するにしろ見るにしろ固定客(関係者)が来る前提がある訳ですから、銀座や新宿などの写真ギャラリーが多い場所に作る必要がないのです。

 その一方で、写真専門のレンタルギャラリーの中には岐路に立たされている所も出てきているようです。
 今までは、写真を展示する場所はそれらに限られていましたが、別カテゴリの展示場所が増えてきたため、展示する人たちが分散することに加え、携帯やモニタで見られることを前提とする写真が増えてきているので、今までのようにプリントを見せる必要性を感じない人が増えてきていることもあるのでしょう。

 今後はこの流れがさらに細分化されていくのかもしれませんね。そうなれば写真展を見にいくのが今以上に大変になりそうです。


 以前写真集の話を書きましたが、私は首都圏近郊に住んでいる事もあり、写真集目当てで神保町などによく顔を出します。カメラを探しに新宿や銀座、その他の地域のお店に行く事も。古書でも中古カメラでも実店舗がある場合、可能であればお店に出向き、基本的に自分の目で見てから買うようにしています。

 ネットで物を買うときには、内容や商品状態が想像通りの状態かどうか届くまでワクワクドキドキな気分で、想像以上に良い状態だと本当に嬉しいのですが、例えば商品が傷ついて届くのは受け取り側はもちろん送り手側にとっても悲しい。しかもそれが送り主側のミスや商品に対する気遣いのなさから生まれたものであればなおさら……

 書籍を例にとると、表面はもちろんですが、角などは傷みやすく、意識的に保護をしなければなりません。それを怠った状態で送られてきた商品の角が潰れていたら……これは運送業者の責任とは一概に言えないですし、若しかすると販売側が商品確認を怠ったか、既に傷つけてしまった状態のものを発送したのではと考えてしまいます。

 売買された商品にせよ、そして献本や返品の類なら尚更、そのモノを丁寧に扱いたい。最近連続で似たようなお話を聞いただけに、余計にそう思う次第です。

 逆に先日訪れた古書店は、支払いで私が小銭を準備している間に、素早く本にビニールカバーをかけ、更にラッピングペーパーで包み、袋に入れる迄の一連の動作をスムーズに行いました。実はあまりにも自然な動作だったので、店頭では気付かず、帰宅してから気がついた次第です。

 人によっては過剰に思えるかもしれません。でも私には、そのお店が商品に対して愛情を持って扱っているお店だという印象を受けました。


 今回はいつも以上に纏まりがなくなってしまいました。書きたいことが迷走してしまったため、継ぎ接ぎだらけの文章になってしまった感があります。自分に喝を入れ、新しい年度はもっと内容を充実させなければと思います。

 ではまた次号。

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